いて、獲物を獲れなくなったライオンが、策略によって獲物を獲ろうと考えました。




彼は洞穴の奥に横たわって、病気のフリをしました。



そして自分が病気であることが、世間に知れ渡るようにと画策しました。




 
 ほかの獣たちは、お見舞いのため、一匹づつ、洞穴へとやって来ました。



すると、ライオンは、やって来た獣たちを、片っ端からむさぼり食いました。



こうして、多くの獣たちが姿を消してしまいます。



 
 このカラクリに気付いたキツネが、ライオンのところへやって来ると、洞穴の外からライオンの加減を尋ねます。



「どうも具合がよくないんだ」 、ライオンはそう答えると、更にこう言いました。




「ところで、なぜ、お前は、そんな所に立っているのだ? 話が聞こえるように、中に入ってこい」


 
 するとキツネがこう答えました。




「だって、洞窟の中へ入って行く足跡はたくさんあるのに、出てくる足跡が一つも見あたらないんですから」



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